03/06/07
以下の文章は、平成十四年三月六日より平成十四年四月二十二日にかけて、四度に亘りニフティサーブの文学フォーラムで書き散らした雑文の、Web 再録です。再録にあたり、Web 記事として適するように細部に加筆修正を施してあります。
以下に出てくる数値は全てフィクションです。
(A) 日本国内で起こるコンビニ強盗事件の 26.3% が外国人による犯行なんだってさ。
(B) それじゃあ鎖国すればコンビニ強盗の 1/4 が無くなるってことか。是非とも鎖国をした方が好い。
(A) バカだな、善良な外国人の方が多いんだからそんなこと出来ないだろう。そもそも外国人によるコンビニ強盗の 99.8% は不法入国者なんだから、不法入国者をもっと強く取り締まればいいんじゃないかな。
(B) そうしたら 25 × 0.998 = 24.95% のコンビニ犯罪が減るのか?
(C) そんなことはないぞ。俺はこのまえコンビニ襲おうと思ったんだけど、外国人に先を越されて断念したんだ。やつらが襲っていなかったらきっと俺が襲っていた。
(A) 物騒な奴だな。何が云いたいんだ。
(C) 俺みたいなやつが沢山いたら、外国人いくら締め出しても強盗の件数は減らないだろう。むしろ外国人は日本人による犯行を抑制しているんだから締め出したらダメだ。日本人の犯行が激増する。
(B) そんな馬鹿な話があるかい。おまえ、それは詭弁というのだ。
(D) バカだな、俺なんか、外国人がコンビニ襲っているのを見て、それに触発されて別の店襲ったよ。
(A) おいおい、冗談じゃないよ、誰かこいつを警察に突き出せ!
(D) まあ好いから聞きなよ、俺みたいなやつだって沢山いるんだ、外国人を閉め出したら俺のような模倣犯はいなくなるんだから、1/4 どころか、下手すりゃ半減ぐらいしちまうかも知れねぇぞ。
(C) あほぬかせ、おまえがやらないぶん俺がやるんだ、それならプラスマイナス0、変わらねえじゃねぇか。
(D) 知らないやつはコレだから困るよ。好いかい、公安調査委員会の調べによるとだな、俺のような模倣犯は、コンビニ強盗の8割を占めているんだ。それに対しておまえのように抑制されちゃう腰抜けは、せいぜい全体の 1% にしかすぎねぇ。
(C) 何でそんなこと知ってやがる。大体全体ってのはなんだ。
(D) そりゃコンビニ強盗の件数だ。
(B) ほぉ、それじゃあ、外国人を閉め出して減る分ってのがDさんタイプの8割か、そして、外国人の犯行も無くなるから、26.3% 減ると。そしてCさんタイプは逆に増えるわけだけど、これが 1% かい。するってえと、全体は 100% なんだから、100 - 80 - 26.3 + 1 = -5.3% かい。あらら、全部無くなっておつりも来ちゃうねぇ、コレはお得だ。
(A) バカかおまえは。無くなるわけがないだろう。「外国人であると同時に模倣犯でもある」奴がいるんだよ。
(B) あゝそうか……すると……え? どうすればいい?
(A) その重複している分の人数が判らないとなぁ。
(D) それは外国人犯行者の5割だとよ。
(B) おお、そうかい、それじゃあ 26.3 × 0.5 で、13.15% が外国人の模倣犯か。すると日本人の模倣犯は 80 - 13.15 = 66.85% だ。つまり、さっきの計算をやり直すと、100 - 66.85 - 26.3 + 1 = 7.85%。
(A) すごい減りようだな、それは。
(C) おまえらもアホだね、模倣犯ってのは、別に外人を見なくっても、日本人の犯行で充分真似られるんだよ。だから結局のところ、100 - 26.3 + 1 = 72.7% にしかならねぇ。
(A) 模倣犯がまるまる残るってのも考えにくいんじゃないか? 犯行目撃の確率が減るんだ、模倣も減るだろう。
(B) すると、模倣でない件数が 7.85% だから、66.85 × 7.85 で……
(A) おいおいそれは乱暴だよ。模倣犯の模倣ってのもあるんだ。模倣犯が必ず1次犯罪者を見ているとは限らないし、数値的にそれはけっこう少ないということになる。ほとんどは2次3次、あるいはそれよりもっと下の世代の模倣犯だ。
(B) ネズミ講みたいだね、どうも。それじゃあどう計算するよ。
(A) さあてね、どうしたものかね。
(B) じゃあ取り敢えずDは逮捕しておくかな、コレで少なくとも犯人が一人減るんだし。――何不思議そうな顔してるんだよ、仕方ないだろう、俺は警官なんだから。ほら、手帳。よーく見てみろ。確かに俺だろう?
(D) うわわわわ、そ、そんな……あれは全部冗談だよ、口から出任せだよ、自白だけで立証なんかできないだろうが!
(B) まあ細かいことは取調室で聞くさ。じゃ、いこか。
(D) あわわわわ。
(C) ちゃんちゃん。
(A) 結局混乱しただけで何がなんだか判らなかったな。
(C) 数字だらけで頭が痛いよ。
書き手が一番混乱した(笑)
Original: 02/03/06
以下に出てくる数値は全てフィクションです。
(B) 結局のところ、不法入国の外国人がすべて悪いってことなんだね。
(A) あんた警官のくせに短絡だね。
(C) 警官の癖にってのはおかしい、警官だから短絡なんだろう。
(A) それもおかしいだろう、そもそも警官と短絡には因果関係なんか無い。
(B) うるさいな、そんなことはどっちでも好いよ。一体何が短絡なのか説明してくれよ。
(A) 人を刺して逮捕された少年の3割りがツッパリだから、ツッパリを全部ぶち込めば少年の刃傷沙汰が3割減るって云ってるのと同じだ。
(B) 好いじゃないか、それ。
(A) ダメだよ、人を刺したことのないツッパリはツッパリ人口の実に9割りだ。1割りのならず者のために9割りのツッパリが割り食うってのはどうかね。
(B) 好いんだよ、人刺さなくてもなんかしてるだろ。
(A) ひさし髪にしてほっそいミラー掛けてるだけだろう。宇崎竜童まで逮捕するって云ってるんだぜ、あんたは。
(C) それは冗談じゃないな。
(B) 宇崎竜童はもうおっさんだろう。いまさらツッパリでもないやね。
(A) そうかい。矢沢栄吉はどうだ? 彼がツッパリじゃないなんて云ったら全国のファンから抗議が殺到するぜ。
(C) 宇崎竜童のファンからは抗議が殺到しないのか。
(A) するかな。まあ好いんだそれは物のたとえだから。
(B) 要するに一体何なんだよ。
(A) 不法入国は法を犯しているのかもしれないけど、彼等が全部コンビニ強盗であるかのような云い方はどうかと思うんだ。
(C) なあんだ、それを気にして続編作ったのか。
(B) 何でだ? さっきの話じゃあそう云っていただろう。
(A) 云ってない、云ってない、外国人によるコンビニ強盗の 99.8% が不法入国者だといったんだ。しかしコンビニ強盗をする不法入国者は、不法入国者全体のたった 0.5% だ。
(C) こいつは驚いたね。
(B) でも、不法入国者を取り締まれと云い出したのはあんただ。
(A) だからそれは問題が別なんだよ。この問題はそう簡単にすむ話じゃあないだろう?
(B) 警官には法が全てだからねぇ。
(A) じゃああんたは、殺人犯の5割が男だから、男をすべて逮捕すると、こういうわけだな?
(B) 男というなら俺も男だなぁ。だからそれは受け入れられない要求だなぁ。
(A) なんてわかりやすいやつだろうね。もっというと、窃盗犯の5割も男で、レイプ犯の9割りが男だ。男は余程悪の存在らしいわなぁ。だって9割だぜ。
(B) わかった、わかったよ。云いたいことはよく判った。
(C) 本当かね。
(B) わかったとも。みんなで留置所に入ればいいんだろう? それで万事解決だ!
(AC) 一人で入っとけ!!
好いのかこんなオチで……
Original: 02/03/06
以下に出てくる数値は全てフィクションです。
(C) 大体、コンビニ強盗の7割が日本人なんだから、日本人閉め出した方がコンビニ強盗一気に減るんじゃないのか?
(B) その通りだな。よし、日本人を日本から閉め出……
(A) えーかげんにさらせ!!
(C) そこで「なんと数字という者は魔物であることか」と云う感想を抱かないとダメなんだよ。
(B) 先に云え、先に!
(A) 聞かなくとも判れ! ボケ!
オチの補填は違法です(嘘)
Original: 02/03/06
以下、原文まゝ再掲
今朝ちょいとモタモタしていたら、いつの間にかTVに川合俊一が映っていました。このキャラ(笑)が出てきたら、相当遅いということを示しているので、慌てて出てきたんだけど、出掛けにこの人、統計のウソをつきました(笑)
昨年一年間で結婚した組は、僕の記憶が正しく且つ聞き違えをしていなければ、80万3千組だそうで、同様に離婚をしたのは、28万9千組だそうです。そして俊一が一言。
「つまり、だいたい3組に1組が離婚をしているという状況なわけです」
(A) さあきたぞ!
(B) なんだよ、一体何が間違ってるんだ? 正確に1/3じゃないとか、そう云うことか?
(A) そんなことは関係ないよ。算数が間違っているわけじゃない。算数は関係ない。統計は数学だしな。
(B) つまり数学として、29÷80は1/3ではないと……
(A) そうじゃないってば。この場合はね、割り算をしてはいけないんだ。
(B) へえ? なぜ?
(A) 引き算ならいいんだけどね。つまり「80.3 - 28.9 = 51.4 万組の夫婦が、昨年一年間で増えた」と云うなら、これは正しい。だけど割っちゃいけない。
(B) だから、なんで。
(A) 3組に1組が離婚なんて云ったら、友達が3人結婚していたら、そのうち1組は離婚するんじゃないかと思って、ハラハラしちゃうだろう? でもそんな心配はしなくても好い。
(B) そりゃあ、統計ってことは確率に過ぎないんだから、結婚した友達10人が全然離婚しないという人がいれば、結婚した友達5人が全部離婚しちゃったという人もいるだろう。俺でもその程度のことは知ってるんだ。
(A) 賢明だね、でもそう云うことを云っているんでもない。
(B) じゃあなに!?
(A) ここから先はたとえ話だ。ある3日間だけ結婚組数と離婚組数を調査したとする。そうしたら、その3日間で、千組が結婚して、千二百組が離婚したとする。さあ君は「5組中6組が離婚した」と云うか?
(B) そりゃあそうだろう、だって 1200 ÷ 1000 は、6/5 だからさ。
(A) ……アホウめ。
(B) なんでさっ!!
(A) 日本語が著しく間違ってるんだよ!!
(B) なんでさぁ。えーん。
(A) 「○組中◯組が離婚」ということを云いたいのなら、結婚した80万3千組を追跡調査して、「そのうちの何組が離婚したか」と云う数字をださなくちゃいけないのだ。先の28万9千組という数字には、昨年以前に結婚した組がかなり含まれているはずだろう? 成田離婚もあるかもしれないけど、50年近く沿った挙げ句の熟年離婚だってある。だから、80万3千組の追跡調査が無理なら、現在の「総既婚者数」を持ってこないといけない。
(B) むう?
(A) 前者なら「昨年結婚したカップルは、◯組中◯組が結婚後新年(もしかしたら新年度かも?)を迎える以前に離婚している」と云えるし、後者なら「昨年一年間で、全夫婦の◯組中◯組が離婚」と云えるんだ。両者の根拠となっている数字を片方ずつ取り出して勝手に組み合わせて、条件無視して「◯組中◯組」なんて云うのは間違っているんだよ。
(B) ……
(通りすがりのC) おーい、おまえら何してんだ? Bの頭にチューリップが咲いてるぞ?
(A) あ、おまえ全然理解してないだろ!?
(B) ぽえ? (∵)
(C) 埴輪かい。
(B) Ч∵hハオ
オチが反則だなあ
Original: 02/04/22